目次
はじめに
就職活動や転職活動において、ひとつの軸に「ホワイト企業」があるかと思います。「ブラック企業」との対にあたる関係性で、全ての人が「ホワイト企業」を望むかと思います。
今回取り上げる内容は「ゆるブラック企業」また「パープル企業」と呼ばれる属性についてです。色で言うと紫。ゆるい×ブラック。いったいどのような企業でしょうか?またあなたの企業はこれに当てはまるかどうかもポイントです!

- 日経ビジネス記事『残業もないが成長もない……「ゆるブラック企業」は若者もごめんだ』より
- ダイヤもインドオンライン記事『残業はないが成長もない「ゆるブラック企業」が多い業界、少ない業界』より
そもそも「ブラック企業」「ホワイト企業」とは?
「ゆるブラック企業」を説明する前に、まずは「ブラック企業」と「ホワイト企業」の比較を抑えておきましょう!
ブラック企業について

例えばですが、上画像のような要素が挙げられます。
- 長時間労働で、(サービス)残業が多い、または当たり前。
- 休日は少なく、休日出勤も多い。
- ハードワークで人間関係も悪く、離職率が高い。
- 法律のグレーゾーン、場合によってはアウトな働き。
また、ブラック企業のよくあるフレーズとして以下のようなものがあります。

過去記事では特に、要注意フレーズ①「うちの業界では当たり前」に関してまとめています。

また、厚生労働省では「ブラック企業」について以下のような回答をしています。
厚生労働省HPより
このように「過度な労働時間」「過度なプレッシャー」「賃金面」における不整備感が「ブラック企業」として認識されています。
「ホワイト企業」について

例えばですが、上画像のような要素が挙げられます。
- 就業時間は1日8時間程度で、残業は少ない。サービス残業という概念を持たない。
- 休日は多く、休日出勤も少ない。
- 人間関係も良好で、社何風通しも良く、離職率が低い。
- 労働基準法に遵守し、働き方改革の導入に積極的。
また、近年ではブラック労働による健康上の問題(過労死やうつ病など)から働き方が問題視されるようになり、働き方改革やホワイト企業認定など働きに関する意識が高まりました。

このように、ブラック企業とは対の特性を持ちます。いわゆる労働者に対して優しい企業と言えるかと思います。
「ゆるブラック企業」とは?
冒頭の参考記事タイトルから想像がつくかと思いますが、簡単に言うと、「雇用形態自体はホワイト企業だが、裁量権が無く自身の成長にならない企業」です。
つまり、誰もが理想とする「ホワイト企業」に見受けられるのが「ゆるブラック企業」の側面なのです。

雇用形態自体はホワイト企業だが、裁量権が無く自身の成長にならない企業
ホワイト的要素
- 労働時間は長くなく、残業も多くない。
- パワハラ等の社内整備に関しても問題ない。
- 賃金に関しても問題があるわけではない。
- 離職率も高いわけではない。
ブラック的要素
- 裁量権が少ない(無い)。
- スキルが身につかず、自身が成長しない。
- 実務遂行・末端の仕事であることが多い。
このように、「大企業の歯車の一つ」という働き方に多く見られ、自分の市場価値を上げていくのが難しい企業と言えます。
簡単に言うと「楽だけれど、成長はできないし収入も伸びない」という特徴になります。
「ゆるブラック企業」は、「残業もなくて働きやすいが、成長をさせてくれない。」といった企業を指す造語であり、「ブラック企業」と対の「ホワイト企業」との中間にある「パープル企業」とも言われています。
この場合、人生の岐路ややりたいことが見つかっての転職の際にも大きく影響してしまいます。
「ゆるブラック企業」の特徴
特徴は前述にあるゆるブラック企業の要素です。これらを大きく2つにまとめていきます。
雇用形態自体はホワイト企業だが、裁量権が無く自身の成長にならない企業
ホワイト的要素
- 労働時間は長くなく、残業も多くない。
- パワハラ等の社内整備に関しても問題ない。
- 賃金に関しても問題があるわけではない。
- 離職率も高いわけではない。
ブラック的要素
- 裁量権が少ない(無い)。
- スキルが身につかず、自身が成長しない。
- 実務遂行・末端の仕事であることが多い。
あなたが勤めている会社に当てはめてみてください!
①働く分にはすごく楽。
働き方に関しては、「ホワイト企業」と言える環境にあります。
プライベートの時間をきちんと確保でき、オンオフの切り替え(メリハリ)もきちんとつきます。また、職場内の人間関係も悪くはなく、割り切った人間関係であることが多いです。いわゆるプライベートに干渉されない環境であることが多く、働く分にはすごく楽な環境です。
また、難しいことや大変なことも少なく、ルーチンワークが多いので慣れてしまえば、仕事の時間が淡々と過ぎていきます。仕事嫌人間にとっては理想の環境かと思います。
②自身の成長は少ない(ほとんど無い)
この点が唯一の欠点にして最大の欠点と言えます。
業務内容としては、上記のようにルーチンワークで淡々とこなせる仕事なので、頭を使う機会が無くなります。すると脳はどんどん退化していき成長を止めてしまいます。
これがなぜ最大の欠点と言えるかは、世の中が変化していく中で、自分が置き去りになる可能性があり、ゆるブラックが習慣化されている人材が生き残れない懸念があるからです。
つまり、これから先の人生において、逃げ切れる人にとっては心地よい環境ですが、先が長い若手中堅にとっては、今後の働く機会を失いに行っていると考えることができます。

「ゆるブラック企業」で働き続けてイイ人とダメな人
このような「ゆるブラック企業」で働き続けてイイ人とダメな人についてまとめていきます。
「ゆるブラック企業」で働き続けてイイ人
- 現状に満足している人
- 社会の変化とリタイア年齢を比べて逃げ切れる人
- パートナーにおんぶ抱っこしてもらえる人、それでいいという関係性がある人。
このような人たちが、「ゆるブラック企業」で働き続けてもイイ人かと思います。「ゆるブラック企業」で働き続ける危険性は「自身の成長の阻害」にあります。
例で挙げた以外にも、根本は「自身の成長の阻害」を許容できるかどうかにあります。そのため「自身の成長の阻害」を許容できる人が、「ゆるブラック企業」で働き続けてイイ人と言えるかと思います。
「ゆるブラック企業」で働き続けてダメな人
- 現状や将来に不安がある人
- 社会の変化とリタイア年齢を比べて逃げ切れない人
- 誰かに依存して生きていきたくない人
このような人たちが、「ゆるブラック企業」で働き続けてはダメな人かと思います。
先ほどと同じように、「自身の成長の阻害」を許容できるかどうかにあります。「自身の成長の阻害」を許容できない状態の人は、「ゆるブラック企業」で働き続けてはダメな人と言えるかと思います。
まとめ
今回は「ゆるブラック企業」または「パープル企業」についてまとめました。
一般的に知られている「ブラック企業」と「ホワイト企業」に似た表現ですが、初めて聞く人も多いのではないでしょうか?

上画像のような特徴のある「ブラック企業」「ホワイト企業」ですが「ゆるブラック企業」は「ホワイト企業」の延長にみられる光景です。
つまり、働き方や社内環境は「ホワイト」ですが、「裁量権」「スキルアップ」「成長」の観点から見るとブラックな側面があるという企業です。
雇用形態自体はホワイト企業だが、裁量権が無く自身の成長にならない企業
ホワイト的要素
- 労働時間は長くなく、残業も多くない。
- パワハラ等の社内整備に関しても問題ない。
- 賃金に関しても問題があるわけではない。
- 離職率も高いわけではない。
ブラック的要素
- 裁量権が少ない(無い)。
- スキルが身につかず、自身が成長しない。
- 実務遂行・末端の仕事であることが多い。
あなたの勤務する会社、またはあなた自身の働き方は「ゆるブラック」に該当していませんか?
「ゆるブラック企業」における欠点は「自身の成長の阻害」にあります。これを許容できるかどうかが、このまま働き続けて良いかどうかの判断基準になります!
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