目次
はじめに
今回は、漫画・ドラマからの学びとして「機転」による「きっかけ」や「影響力」についてまとめていきます。
パートナー、子育て、会社のやり取りなどにおいて、「何を言っても聞いてくれない、変わってくれない」といった悩みは「機転」によって与える「きっかけ」や「影響力」によって解決できるかもしれません!
むやみに「強く指導」するのではなく、その人が衝撃を受けるきっかけを与えることが重要であるという点を、漫画・ドラマのストーリーから考えていきます。
その漫画・ドラマは、少し古いですが「ハンマーセッション!」というタイトルで、今から10~15年前に漫画として週刊少年マガジンにて連載され、2010年夏ドラマとしてテレビドラマ化されました!
今回は、この「ハンマーセッション!」についてと一部放送内容を紹介し、ハンマーセッションの魅力についてとハンマーセッションからの学びについてをまとめていきます!
- TVドラマ「ハンマーセッション!」について
- 「ハンマーセッション!」の一部放送内容と魅力について
- 「ハンマーセッション!」からの学び
ハンマーセッション!について
ハンマーセッションとは?
「ハンマーセッション」とは、メキシコ系ギャングの間で使われているスラング(俗語・隠語)であり、新入りに対して「仕来りや掟を脳天に叩き込んで教える」という意味で使われます。ストーリーではそれが転じて「脳天に響く衝撃的な授業」という比喩表現として使われています。(Wikipedia参照)
冒頭でも少し触れましたが、約15年ほど前の2006年に週刊少年マガジンにて連載がスタートし、約10年ほど前の2010年にテレビドラマ化されました。原作とドラマでは多少設定が異なる部分があります。
人物や舞台について
ドラマでは、俳優の速水もこみちさんが演じています。

- 主人公
- 第1級詐欺師/指名手配犯
- 早くに両親を亡くし、施設で育つ
- 悪者を詐欺のターゲットとする義賊
- 舞台となる光学園で教師を演じながら身を潜める
ドラマでは、お笑い芸人フルーツポンチの村上健志さんが演じています。

- 東大卒の数学教師
- アニメ好きのオタク
- 東大卒で頭脳明晰だが内向的でいわゆるインキャ(陰キャラクター)
- 生徒を相手にする恐怖から前日に学校に放火を試みる
ドラマでは、俳優の小日向文世さんが演じています。

- 舞台となる光学園の校長
- 裏表のある生徒に何とか寄り添いたいという気持ちを持つ
- 生徒想い、教員想い、学校想いの校長先生
- 詐欺師の音羽4号に心を掴まれ、通報しない代わりに、蜂須賀悟郎を演じて学校を変えて欲しいと取引を持ち掛ける
- 舞台となる高校
- 一流大学への進学率が高い
- 成績優秀な生徒が集まっている
- 裏で問題を抱える生徒も多い

その他、舞台となる光学園3年B組の生徒たちもいますが、本記事では割愛します。
ストーリーについて
ドラマでの第1話は、音羽4号の護送シーンから始まります。警察も長年かけてようやく身柄を確保した矢先、護送車が自動車トラブルで海に落下。音羽4号は別の容疑で乗り合わせていた麻生10号と共に脱走をします。
その脱走でたどり着いたのが舞台となる「光学園」でした。時間帯は夜、学校には誰もいないはずの時間ですが、物音に気付きます。そこには校舎に灯油をまいて放火しようとしている人物がいました。そこへ水城校長も現れ、放火犯が新しく採用した蜂須賀先生であることが判明しました。その後、校長室で水城校長が蜂須賀先生に対し事情を聞きます。蜂須賀先生は、「彼ら(生徒)は得体のしれないモンスター。研究してきた教育理論なんて通用しないと気づいた」と、明日から教壇に上がることが怖くなり学校に放火したことを明かしました。
その場に居合わせた音羽4号は「たかが高校生、そんな大げさな」と言いますが、水城校長は「あながち間違っていない」と現状を話しました。
表向きは問題ない
- 一流大学への進学率も高い
- 成績優秀な生徒たちが集まっている
- 暴れる生徒がいる訳でもない
裏では問題を抱える生徒も多い
- 心を閉ざした生徒
- 生徒の心を掴めない
- 自信を失い無気力になる教師
これに対し、音羽4号は「人の心なんて、意外に簡単に掴めるものですよ」と。話を続けます。
これはアメリカの学校で実際にあった話。とある中学で荒れる生徒が多く、遅刻欠席者続出のいわゆる学級崩壊のクラスがあった。悩んだ校長は臨床心理学の権威、ニューオリンズ大学のスコッティ博士にアドバイスを求めた。博士は自身が唱えた理論をそのクラスで実施し、遅刻欠席者が激減、荒れる生徒がいなくなった。いったい何をやったのか?それは、担任がとる出席を生徒自身にやらせた。それだけである。
(少し考えて水城校長は閃いたように話します。)そうか!出席を取る生徒は、遅刻欠席するわけにはいかない。友達が出席を取るから周囲にも協力が芽生える。協調性、一致団結で改善したということか!早速我が校でも実施を!
いや、それはやめておいた方がいい。なぜなら全部嘘だから。言ったでしょ、人の心は掴める。だから今あなたの心を掴んでみたんです。
この話も少し考えれば、穴がある。でもあなたは簡単に信じてしまった。なぜか?心に不安を抱えているからです。その心のスキにつけ入ったんです。
この実際にあった話が作り話なのですが、漫画版では、「アーカンソー州の中学」と「サー・スコッティ博士」として話が作られていました。ここで出てきたアーカンソーは校長室に飾ってあった写真から、スコッティは置いてあったティッシュボックスからその場で出てきたネーミングだったのです。
ここで心を掴まれた水城校長。しかし「生徒たちは簡単に不安を見せてくれない、どうすればよい?」と聞くと音羽4号はこう答えました「ハンマーセッション。脳天に響く衝撃的授業で、心を掴めないよい、今やったように」
ここで、脱走した2人を探し回っていた警察の人が学校に聞きこみに来ました。「近辺に指名手配犯が潜伏している可能性があります、この2人を見かけませんでしたか?」と。水城校長は警察の人に「この2人は何をした人なのか?」と聞きます。ここで水城校長は初めて音羽4号が義賊の詐欺師であることを知ります。
警察に言わずその場をやり過ごした水城校長は、音羽4号に取引を持ち掛けます。その取引が、「警察には通報しない、蜂須賀先生の代わりに彼を演じてこの学校を変えて欲しい。」といった内容でした。指名手配犯を匿うという罪を背負ってまで、学園を変えようとした水城校長。詐欺師が高校教師を演じ、ハンマーセッションで生徒たちを変え、学園を再生していくストーリーのドラマです。
- 【香港マフィアのドン】カジノごと騙し取られ数百億の損失➡ファミリー壊滅
- 【東洋系武器商人】武器売買の大型詐欺で防衛予算に匹敵する損害➡軍事政権崩壊
- 【国際的詐欺団体疑惑のカルト教団】投資詐欺にあい教団資金を奪われ破綻➡解体
このように、騙した相手は筋金入りの悪党ばかり。その騙したお金を生活困窮者にばらまく義賊。
ここから全11話に渡って生徒たちの内に秘めた問題を「脳天に響く衝撃的授業=ハンマーセッション」で解決、更生させていくストーリーが展開されていきます。
第10話のハンマーセッションを紹介
第10話の概要
第10話ということで、これまでの話で生徒たちは蜂須賀先生(正体は音羽4号ですが、以降蜂須賀先生として進めていきます)に信頼を寄せていました。ちなみに元々学歴はない蜂須賀先生なのでチャラチャラした陽気な先生でした。第10話では、学園の実権を握ろうとしていた教頭(濱田マリさん演じる太田教頭)へのハンマーセッションでした。
話は、夏に行われる学園の恒例行事「勉強合宿」でした。2日間のスケジュールで学校に泊まり込んで勉強をする行事で、勉強日程が終了した2日目の放課後に皆でキャンプファイヤーをする行事でした。
また、このキャンプファイヤーで告白をすると成功率が高いという青春を象徴するような噂もあり、生徒たちは盛り上がっていました。
そんなタイミングで、3年B組の男子生徒の一人が両親の転勤で後期からアメリカに行くことに。その男子生徒が保健室の先生に思いを寄せていることを知った生徒たちは「キャンプファイヤーで告白」を持ち掛け応援します。また、その保健室の先生は最近ストーカー被害にあっているそうで、その犯人も捕まえたいと、ストーカー撃退と告白のストーリーで進んでいきます。
そんな中で、学校サイドに対立をしていた教頭先生は、ルールを守れなかったらキャンプファイヤーは中止。と生徒の楽しみを奪う行為に出ます。
果たして、ストーカーとキャンプファイヤーの行方は、、、?というストーリーでした。
男子生徒と保健室の先生とストーカー
話の軸となる男子生徒と保健室の先生の関係についてです。
その男子生徒はサッカー部員でした。ケガをして部活を辞めたとき、保健室の先生が親身に寄り添ってくれて、心が救われたそうで、そこから思いを寄せるようになりました。
そして男子生徒は、思いを寄せる保健室の先生が最近ストーカー被害にあっていることを知ります。また、以前に一度捕まえかけたけど逃がした経験から犯人を絶対捕まえたいと意気込んでいました。
保健室の先生も近所に住む刑事さんに相談をしていて、それ以降は被害が減っていたという状況でした。
勉強合宿がスタート
そんな中で勉強合宿がスタートしました。夜に集まって時間を過ごしたり、怪談話をしたりと盛り上がっていました。
その声を聞き注意しにきた教頭先生。「明日の勉強に備えて早く寝る!それができないならこちらにも考えがあります」と言い放ちます。
それでも、高校生にとっては宿泊や合宿は非日常。注意された後もこっそり肝試しをします。蜂須賀先生も男子生徒に混ざり肝試しをしていました。
そんな中で保健室の先生の悲鳴の声が!急いでで駆け寄ってストーカー犯人を捕まえることができました。このストーカー犯人が保健室の先生の近所に住む刑事さんでした。警備役として勉強合宿に参加していた刑事さんに違和感を覚えた蜂須賀先生は、これを見越して肝試しをしていました。
キャンプファイヤー中止!?
ストーカー犯人逮捕の翌日、教頭先生から「キャンプファイヤー中止」が言い渡されます。理由は、一度注意したのに、ルールを守らず肝試しをしていたから。楽しみにしていた生徒はもちろん、キャンプファイヤーでの告白を応援していたので、かなりのショックを受けていました。
なんとかキャンプファイヤーをさせたい蜂須賀先生は、機転の利いたアイディアでキャンプファイヤーを実現させます!
キャンプファイヤーするには準備が必要。ですがその時間は勉強時間となってしまいました。そして教頭先生の授業の様子の見張りもあります。その中でどのようにキャンプファイヤーを実現させたのか?
東大式!スパルタ授業!
いつもチャラチャラした陽気な先生だった蜂須賀先生。ハンマーセッションにおいて「目が覚めた!学生は勉強、その基本を忘れて平気でルール違反をするこいつらの根性を叩き直します!」と「勉強第一!!」のハチマキと「目指せ東大!!」のタスキをして東大式スパルタ授業と題して授業が始まりました。
その具体的な方法が「東大走」分からない問題があったら学校の敷地内を走りながら問題を解くという勉強×ペナルティのスパルタ授業でした。
これを見た教頭先生は感心し、蜂須賀先生に授業を任せます。
これがまさに機転でした。「東大走」として、走りながら問題を解け!と渡された紙にはキャンプファイヤーの準備が示された紙でした。巻を運び、囲いを組んで、キャンプファイヤーの準備をするという内容をあたかもスパルタ勉強法として見せながら行っていたのです。
ハンマーセッションからの学び
「きっかけ」や「機転」
その他1話から11話に渡って「過度ないたずら」「万引き」「詐欺」「家庭問題」などに対して、脳天に響く衝撃的授業=ハンマーセッション」が展開されています。
もちろん漫画・ドラマなのでやりすぎな面や上手くいきすぎだろといった面はありますが、真っ向からぶつかるのではなく、機転を利かせた方法や、きっかけを与えるやり方で影響を与えることを気づかせてくれる内容化と思います!

自分も含め、人が行動や考えを変えるには、その人自身が気づくしかありません。ですがその気づきは周囲の影響を受けて感じます。もちろんその人自身の多感さという面もありますが、機転や工夫次第できっかけを与え、心に届く可能性が高まります。
以前に紹介した行動経済学のナッジもそのひとつでしょう。

同じことを伝えているつもりでも、伝わり方はその時の状態によって変わりますし、何度言っても変わらないのはその人にとって「響く方法ではないから」かもしれません。
まとめ
今回は、10~15年前の漫画・TVドラマ「ハンマーセッション!」をテーマにまとめました。
- TVドラマ「ハンマーセッション!」について
- 「ハンマーセッション!」の一部放送内容と魅力について
- 「ハンマーセッション!」からの学び
「ハンマーセッション」とは、メキシコ系ギャングの間で使われているスラング(俗語・隠語)であり、新入りに対して「仕来りや掟を脳天に叩き込んで教える」という意味で使われます。ストーリーではそれが転じて「脳天に響く衝撃的な授業」という比喩表現として使われています。
この脳天に響くという点に、機転によるきっかけが必要なのです!
パートナー、子育て、会社のやり取りなどにおいて、「何を言っても聞いてくれない、変わってくれない」といった悩みは「きっかけ」や「機転」によって解決できるかもしれません!
人が行動や考えを変えるには、その人自身が気づくしかありません。ですがその気づきは周囲の影響を受けて感じます。もちろんその人自身の多感さという面もありますが、きっかけや機転は工夫次第で心に届く可能性が高まります。
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