目次
はじめに
「マイホームで悠々自適な暮らし」憧れますよね?若くしてマイホームを建てた!なんて言ったら周囲からは称賛を浴びることでしょう。
ですが、マイホームは生活を苦しめるかもしれないのです!
今回はこの、マイホームのテーマでまとめていきます!
「マイホーム事情」「資産の概念」「簿記の観点」から「マイホームは資産ではない」ことと「生活を苦しめる要因」についてまとめていきます!
マイホーム事情
日本の持ち家比率
5年刻みで調査されている住宅・土地統計調査によれば、2018年の持ち家率は全年齢対象で61%(年齢によってばらつき有り)。

一般的にマイホームを購入するタイミングとして、結婚や子育てという要因が多くみられるために、平均的な初婚年齢や子育て年齢に当たる30代で最も上昇していることが分かります。
「憧れの」「夢の」マイホーム
また、マイホームは「憧れの」や「夢の」といった言葉が前につくことが多いですよね。人生で一番大きな買い物とも言われ、一大決心をすることからこのように言われるのでしょう。
実際私も、2.3年前までは、同期で一番に家を建ててやる!という密かなモチベーションがありました(笑)マイホームの為ならローンを返済する人生でもいいと思っていたくらい、こだわった羨ましがられる家をイメージしていました。
人によっては、それだけ生活を豊かに感じさせてくれるものでもあります。
また、感情的な部分だけではなく、広くてゆったりできるマイホームは、日常生活や子育てなど生活の拠点とする上では重要な役割も果たしています。
マイホーム VS 賃貸
お金を払っていった後に何があるか?マイホームは生活できる家が残る。賃貸は何も残らない。
- マイホームは、仮に月々10万円返済をしていって35年で完済したら家が残る。
- 賃貸は、仮に月々10万円払っていてもお金が出ていくだけで35年後には何も残らない。
最も多い意見がコレかと思います。
住宅メーカーの多くもこの営業トークが一般的と言えます。つまり「家は資産になる」と伝えているのです。
ですが、マイホームは資産ではありません。厳密に言うと簿記での科目としては資産の部に属していますが、金銭的には資産とは言い切れないのです。
日本のマイホーム事情
日本の住宅は、新築であれば買った瞬間(中古になると)に2~3割価値が下がるそうです(リベラルアーツ大学記事より)
一部、土地の価格上昇と共に価値が上がっていく物件もありますが、99%は価値が下がると言います。
つまり、仮に3,000万円の物件をフルローンで購入したとしたら、すぐに売るとなったときに2,100万円から2,400万円でしか売れないのです。
また最近では、
コロナで仕事・収入減
➡月々の収支が収入<支出(返済)となり赤字
➡貯金を切り崩し
➡ローン返済が厳しくなりマイホームを売却
➡上記のように売却額<ローン残債
となり、マイホームを売っても、なお借金(ローン残高)が残るといったケースも少なくないようです(報道RUNNER記事より)。
資産の概念
マイホームは資産とは言い切れない。と述べましたが、それはお金持ちの「資産」の共通認識にあります。
- プラスのキャッシュフローを生むもの(インカム)
- 購入時より高く売れるもの(値上がり)

こちらでも「マイホームは資産とは言い切れない、場合による」と述べられています。
簿記の観点
資本主義社会の共通言語とも言われる簿記ですが、取引の流れを勘定科目ごとに分けていくらの取引をしたかをまとめて管理するものです。
いわゆる家計簿のようなものです。


上図のように借方貸方の左右に分けて記録していくものですが、3,000万円のマイホームをフルローン(3,000万円の借入)で購入した際は以下のようになります。

資産科目として3,000万円の家、負債科目として3,000万円の借入金(ローン残債)となります。
資産科目として入っている家は、先ほど述べたように年々減少していくのに対し、ローン残債は金利によって最終的には3,000万円以上になります。(借入金の1.5倍くらいになる可能性もある。)
マイホームを売らざるを得なくなった時に、売却をしてもローン残債(借金)が残る状態になる場合が多いのです。
このように純資産(資本)が赤字になっていることが多いのです。
生活を苦しめる要因
これまでの流れから生活を苦しめるかもしれない要因についてまとめていきます。
①35年の拘束
まずは35年ローンの拘束です。35年間借金の返済になるという点です。
子が大きくなるにつれて、かかる費用も大きくなっていきます。そのため金銭的に苦しくなってしまう可能性があります。
また、住宅ローンは借金なので金利によって返済額は大きくなります。例としている3,000万円は購入時の金額なので、その他、固定資産税、火災保険、修繕積立などを考えると使っていくだけでも別途お金がかかってきます。

一般的に採用される35年ローンの元利均等返済(35年間毎月定額を返済していく)であれば、今回のコロナ禍で収入が減ったり、思わぬ事故や病気で働けなくなる可能性があることも考えると、生活を苦しめてしまうかもしれません。
②自由が効かない
35年というととても長い期間ですよね?10年後に子ができたとしてもローン完済時には親元を離れて生活していることがほとんどかと思います。
高校進学や大学進学や就職において家から通える範囲に限定されてしまいがちになってしまいます。もちろんそうでない選択も可能ですが別途お金がかかったり、選択の幅を縮めてしまいます。
他にも転勤で単身赴任をしたりと自由が効かなくなる懸念もあります。
賃貸は出ていくだけ、マイホームは家が残るも一概には言えない
生活を苦しめる要因とは異なりますが、前述のマイホームVS賃貸で上げた以下も一概には言い切れません。
- マイホームは、仮に月々10万円返済をしていって35年で完済したら家が残る。
- 賃貸は、仮に月々10万円払っていてもお金が出ていくだけで35年後には何も残らない。
特に、「賃貸は出ていくだけ」という部分については現実はマイホームにも同じようなことが言えます。
35年かけて諸々トータルで5,000万円程かかったとしても、35年後には土地の価格でしか売れないのです。仮に1,000万円で売れたとしても4,000万円は支払っただけになりますよね?
住宅メーカーの営業トークのように簡単な話ではないことが分かります。
まとめ
このように、マイホームは憧れや夢ではありますが、生活を苦しめる要因にもなり得ます。
特に「日本のマイホーム事情」でまとめた、マイホームの価値は99%が下がっていくこと。
「資産の概念」でまとめた、マイホームは資産ではない場合がほとんどであること。
「簿記の観点」でまとめた純資産は黒字ではないこと。
などから、日本でのマイホームは金銭的な意味で「資産」になりにくく、生活を苦しめてしまう可能性があります。
人生で一番大きな買い物と言われている分、慎重になる必要があります。
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