目次
はじめに
今回は、毎年国連が発表している「World Happiness Report」の調査結果から「幸福度」についてのテーマで、
●調査について
●ランキングについて
●フィンランドと日本の比較
●幸福度について
の順でまとめていきます。
「World Happiness Report」調査について
概要
「World Happiness Report」は簡単に言うと「世界の国別幸福度ランキング」です!テレビ番組などで一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
毎年3月20日は「世界幸福デー」で、これに合わせて2012年から世界の国々の幸福度調査とそのランキングが発表されています!
今回のレポートがこちら→(World Happiness Report 2021)
調査内容
「World Happiness Report」では、以下の6つの内容から総合的なスコアを算出し、ランキング化しています。
●GDP per capita:一人当たり国内総生産
●social support:公的保障
●healthy life expectancy:健康寿命
●freedom to make life choices:人生選択の自由
●generosity:寛大さ
●perceptions of corruption:社会の公正さ
※さらに第7の指標として、”Dystopia + residual”が加算され、全体スコアになります。各項目ごとに最低の国(ディストピアと呼ぶ)よりどれだけ良いかを示したものとなります(Wikipedia)。
ランキング発表
2020年の結果

英語で分かりにくいと思うので、解説していきます。画像の左側👈が「2020年の結果」右側👉が「過去3年の結果」です。
ここでは、左側👈の「2020年の結果」で解説していきます。
ランキングとスコアは以下となりました↓
1位:フィンランド 【7,889】
2位:アイスランド 【7,575】
3位:デンマーク 【7,515】
4位:スイス 【7,508】
5位:オランダ 【7,504】
6位:スウェーデン 【7,314】
7位:ドイツ 【7,312】
8位:ノルウェー 【7,290】
9位:ニュージーランド【7,257】
10位:オーストリア 【7,213】
↓↓
40位:日本 【6,118】
幸福な国ランキング第1位は「フィンランド」→4年連続の第1位となりました!
日本は、第40位となりました。ちなみに、昨年は62位、一昨年は58位とのことで、大躍進といったところでしょうか?

私は、日本から出たことが無くイメージできなかったので、世界地図にマークしてみました。
幸福度の高い国はヨーロッパに集中していることが分かります。
2018年~2020年の3年間スコアの結果

こちらが、今回の結果を含めた、2018年~2020年の3年間のスコアとなります。
色分けは、左から以下のようになります↓
●GDP per capita:一人当たり国内総生産
●social support:公的保障
●healthy life expectancy:健康寿命
●freedom to make life choices:人生選択の自由
●generosity:寛大さ
●perceptions of corruption:社会の公正さ
※ディストピアよりどれだけ良いか
ランキングとスコアは以下となりました↓
1位:フィンランド 【7,842】
2位:デンマーク 【7,620】
3位:スイス 【7,571】
4位:アイスランド 【7,554】
5位:オランダ 【7,464】
6位:ノルウェー 【7,392】
7位:スウェーデン 【7,363】
8位:ルクセンブルク※【7,324】
9位:ニュージーランド【7,277】
10位:オーストリア 【7,268】
↓↓
56位:日本 【5,940】
過去3年スコアなので、4年連続1位の「フィンランド」が第1位となりました。トップ10も2020年の結果と同じよな国がランクインしています。
日本は、今年が40位、昨年が62位、一昨年が58位ということで56位となっています。
画像左下に注釈がありますが、「※は調査結果が無く、2018年~2019年調査に基づくスコア」と表記があります。

同じく世界地図にマークしてみました。ドイツとルクセンブルクの相違だけだったので、ほとんど同じ感じで幸福度の高い国はヨーロッパに集中という結果になりました。
フィンランドと日本の比較
出典:東洋経済「幸福な国「フィンランド」と日本の決定的な差」
東洋経済では、今回の結果から、フィンランドと日本の比較についてまとめています。
似ている点
似ている点は、「我慢強さ、忍耐力、強い精神性」などといった点であると記されてます。
日本人は、勤勉で真面目とよく言われます。これは、日本人の元々の性格や長年の教育や成長実績によって成っています。


フィンランドでも「SISU」という、「我慢強さ、忍耐力、強い精神性」などの性質を持つ、日本人と似たような思想があります。
異なる点
日本人らしさとフィンランド人のSISUの精神は、似ているということですが、似た性質を持ちながらも、「幸福度」には大きな差があります。
人と人との結びつきの強さ
東洋経済の記事では「人と人との結びつきの強さ」なのでは?とまとめています。
フィンランドは家と家が離れているうえ、人口も少ないのでコミュニティーセンターと呼ぶ人々が集まれる場所があるそうです。そこへ出向き、そこで出会った似たコミュニティの人同士で親睦が深まると言います。
そういった、「日々の出来事などを語る仲間がいたり、自分が心地がよいと感じられる場所を確保すること」に異なりがあるのでは?とまとめていました。
確かに私たちの生活は、年齢が上がるにつれて、関わる人は狭くなっていきますよね?そしてほとんどが会社の人なのではないでしょうか?「会社の付き合い」など言われますが、ネガティブなイメージがあります。
「会社の付き合い」は「仕方なく」といったイメージがありますよね?つまり本来の意としない関係といえます。これからの人生で最も長く関わるであろう人=心地いい人間関係ではないのです。
社会保障の体制
ヨーロッパ諸国の幸福度が高い理由として、社会保障の充実とその実感であるということも一般的に言われています。
税率が高く設定されていますが、保障もかなり手厚く、「子供の教育費」「老後の生活費」「医療サービス」等々が無料で受けられるそうです。
日本での社会保障も充実してはいますが、知っている人は受けられて、知らない人は損をすることが多く、この実感の面で差が出ているのかと思います。
優先順位は、「仕事 < 家族や自分」
フィンランドでは、優先順位として家族と自分が仕事の上に来ます。
一方日本では、「仕事が第一」という考えを持つ人が多くいます。そして、先生や上司の言うことを聞いて、きちんとこなす教育を受けてきた日本人は、代々「仕事が第一」だと刷り込まれてしまいます。
もちろんこれが日本を成長させてきた根幹なのかもしれません。
しかし、「幸福度」で考えたときには「仕事が第一」は繋がらないのです。
「なんのために仕事をするのか?」これは人それぞれの価値観ですが、私は「人生を豊かにするため」に手段のひとつとして仕事をするのだと感じます。「仕事」によって「幸福度が下がる」といったように、逆転している人が多いように感じます。
まとめ:幸福度について
ここまで、「幸福度ランキング」と「スウェーデンと日本の比較」をまとめてきました。
思想としては似ている面を持つ、スウェーデン人と日本人ですが、「幸福」のための思想は異なるようです。
自分が心地いいコミュニティを持ち、家族や自分といった大切な存在を一番に考えているフィンランド人に対し、コミュニティが一定(会社の人)になり、大切なものを犠牲にしてまでも仕事に捧げる日本人という相違が「幸福度」の結果に表れているのではないでしょうか?
そして、日本での当たり前がフィンランドでの当たり前でないように、またその逆も、自分の当たり前は当たり前ではありません。何が自分にとって「幸福」をもたらすのか、それは人それぞれあります。

ひとつ考えるきっかけになれば嬉しいです。
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